カ・セント(スペイン料理・神戸)
なんでも、スペインのヴァレンシアにある同名の『Ca Sento』というレストランで
料理長だった福本氏が、5月からこちらでモダンスパニッシュ料理を作っているとのこと。
スペインの『Ca Sento』は、今年ミシュランの二つ星を獲得。
福本氏が料理長を務めていたときも一つ星だったそうで、期待しての訪問。
ちなみに、モダンスパニッシュというジャンルは正直、僕の趣味ではありません。
なんだかチマチマとした印象で(これは最近のフレンチにも言えますが)、
ラップやフィルム、注射器に試験管など、「そんなもの食卓に乗せるな!」って
思う料理が多いと思うから。僕はオーソドックスなものを大事にしたいんです。
とはいえ、自分の見識を広げるために、1度行っておくのも良いかな?と思って訪問。
でも、こちらは良い意味で僕のモダンスパニッシュに対する偏見を裏切ってくれました。
せっかくなので、おまかせコースを予約。
このテのお店はおまかせくらいでないと、真価を見られないと思うので。
・3種(?)のグリッシーニ
・フォアグラ&キャラメル バルサミコソース
スペイン、スペイン。
ややゆるめのフォアグラですが、パリッとしたキャラメルの食感とよく合います。
・泉州の水茄子とロシア産キャビア、3種のバジル
水茄子が何とも気持ちよい食感というのでしょうか。
ザクザクとした歯ごたえとやわらかさがあり、バジルの風味もいいアクセントに。
また、これまた本来あまり好きでないキャビアが、うまいこと料理に溶け込んでいました。
シンプルな一品ですが、センスを感じさせてくれます。
・三田、姫路等の野菜約20種を使ったサラダ エメンタールチーズのソース
この日一番印象に残った料理です。そして、シェフの料理の方向性をよく示している。
最初に野菜だけが置かれ、「ガルグイユみたいなもんかな?」と思ったら、
その後に白いソースがかけられます。これ自体はまあ、よくある演出。
ソースと素材が変になじまず、素材自体の食感も楽しめるので、良いと思います。
でも、「ふーん、何とも現代的だねー」と思いつつ食べると、だんだん驚きが。
まずはソースの繊細な味わい。
フレンチのソースと違い、粘りけはなく、サラッとした食感です。
塩も限りなく少ないのに、チーズのうまみがしっかり。
これはフレンチじゃない。そう思わされます。
さらに驚かされるのがそれぞれの野菜との一体感。
オクラがこんなにチーズに合うなんて。
あのネバネバが旨みを吸着し、まるでチーズ自体がとろけているかのようなおいしさ。
それぞれの素材感もたっぷりで、ちょっと感動しました。
・フォアグラの低温ソテー アロエとミント
フォアグラのテリーヌとかは異常に好きなんだけど、
ポワレってあのカリッ&どろっが苦手なんです。
でもこれは低温で焼いているらしく、とろとろ。
一口目はまるでトロのようなとろけ具合で口に広がり、
後味は上質なウニのように濃厚かつ印象的。
フォアグラって、軍艦巻きにしてもおいしそうとか思ってしまうくらい。
アロエを合わせるのも、至極現代的なやり方ですが、
ミントの爽やかさと共に、よりフォアグラ自体を引き立てます。
ちなみに、フィルムみたいに見えるのもアロエを乾燥させたもの。
フィルム嫌いの僕にはこれも良い。
・イサキのソテー アメリケーヌソースとサリエット
僕はどちらかと言うとフランスみたいな弾力のある魚が好きなんですが、
相方は日本のやわらかい、ほぐれるような食感が好きなもんで。
これは相方好み。やわらかな日本ならではの魚料理ですね。
珍しく一口食べて「おいしい!」と言ってたほど。
ソースがまた、少量なのにものすごいインパクト。
これはむしろ僕好み。でもこのやわらかめな魚には、これがよく合うんですな。
・梅山豚の低温ロースト スペイン産アーモンドと銀杏
量はそれほど多くないと思うんですけど、満足感のおかげかな?
日本に100頭しかいないという梅山豚(メイシャントン)を、これまたじっくり火入れ。
「ぜひ脂も一緒に食べてください」と、一緒にお皿に。
固さは普通の豚より柔らかく、流行のトップブランドの豚肉より少し固い感じ。
繊維の一つ一つをしっかりと感じられる肉質で、旨みはイベリコ並だけど、
イベリコ豚ほど脂っぽくない。モロにウチの好みです。
やわらかすぎる肉や、脂の多い肉は好きじゃないもんで。
旨みの凝縮感が素晴らしく、シンプルなローストがベストな調理法でしょう。
アーモンドと銀杏は甘辛く炊かれていて、このソースを肉につけてもまた旨い。
野菜の料理と共に、シェフの料理の真髄を垣間見た気がします。
・パエリアのクレープ包み
パンに伸びる手を止めて正解でした。そう、パエリアです。
魚介のパエリアをクレープで包んでやいています。
でもこの香ばしい香りはどこかで記憶が...と思ったら。
うん、本っ当に失礼なのはわかってるんですけど、あえて言います。
たこ焼きorイカ焼き(阪神の地下で売ってるやつ。食べたことないけど)ですわ(笑)
いや、ホラ、でも材料的には近いですからね。魚介でしょ、クレープは生地でしょ。
もちろん、ちゃんとパエリアらしい味なんですよ。
しつこさとかないのに、味もしっかり。
ちょっと香りとプレゼンテーションに驚いたけど、おいしいパエリアでした。
・八角のアイスとスペインのチョコレート
ちょっとミルキーな味わいに仕立ててあって、キツすぎないところがまた美味。
チョコとの相性も良く、フレンチのプレデセール的な扱いかと思いきや、
立派にデザートの一品として成立しています。
・ヴェルヴェーヌアイスの飴細工とパッションフルーツ
これまた僕が大好きなヴェルヴェーヌ。フランスでハーブティー買ってたくらいですし。
おまかせコースなのに、なんてツボな食材で来るんでしょうか!
キレイな球体に仕上げてあるな~と感心しながらスプーンでパキパキと飴を割ると、
素晴らしい香りのヴェルヴェーヌが匂い立ちます。もう陶酔。エクスタシー級。
器も、香りを楽しむために適したものですしね。
食事の後、紅茶を飲みながら少し(でもなかったかも?)シェフたちとお話。
シェフは何と同い年じゃないですか。ビックリ。
スペイン料理に対して、フィルムとか使う偏見持っていたことをお話すると、
モダンスペイン料理は確かにフェラン・アドリアさん(『エル・ブジ』のシェフ)から
始まったけど、スペインって自由なんです、とのこと。
そこから始まったけど、それに囚われないところが、フランス料理と違うんです、と。
なるほどね、今日の料理を食べてわかる気がします。
技術は技術だけど、ものすごく素材重視でしたしね。
最近の(フランスの)フレンチは右に倣え状態の料理も多いですし。
その技術、たとえばフィルムとか液体窒素とかは使わないんですか?と尋ねると、
技術としてはすごいが、それを追い求める時間やお金があったら、素材を追求したい
という答えが返ってきました。最新技術と違い、10年、20年後にも残るものだから、と。
そうですよね。僕ら食べる側はせいぜい一度に2、3時間。
月イチで行っても、料理に触れるのはたかが年に2日間くらいでしかないんです。
でも、作る側はその先何十年もそれを続けていく人生がある。
それを考えると、最近の目新しいもの、変わったものだけを持てはやすのは
罪とすら言えるのではないかと、このところよく感じます。
頭の回転の速いシェフでした。さすがヨーロッパで長年やって、
シェフとして人を使う立場にあっただけあるなーと。
同い年の自分が恥ずかしい思いすらする感じ。自分も頑張らねば、と思います。
オーナーシェフではないため、まだまだ100%の力を発揮できているわけでは
ないと思いますが、素晴らしいレベルの料理をいただくことができました。
| 店データ |
| 店名:カ・セント >>HP |
| 住所:神戸市中央区中山手通4-16-14 >>地図 |
| アクセス:地下鉄県庁前駅から徒歩8分 |
| 電話:078-272-6882 |







美味しそう~(*^^*)
今度、神戸に行ったら、是非行ってみます。
それと、この前、いさおさんが作られてたトマトとタマネギのマリネ
のソース、味付けをちょっとプラスαして作ってみたんですけど、とっても美味しく出来ました♪
すごく簡単なのに感激です!ありがとうございました~~☆
>あんこさん
ぜひぜひ♪ 神戸のおすすめ店の一つになりました♪
トマトのソース、何をプラスされました?
また教えてくださいませ♪
味付けは、単に塩、砂糖、ブラックペッパー、オリーブオイルを
ほんのちょっと加えただけですっ(^^;)
それに、ホタテを加えて食べました。おいしかったです♪
でも、加えなくても美味しいと思います。
きっと、味の決め手は、ワインビネガーとマスタードの質ですね☆
>あんこさん
ああ、ホタテ、いいですね~。おいしそう♪
また今度やってみます! ありがとうございます。
マスタードは二つ星で買ってきたものだから、一応良いものだったハズ♪
明けましておめでとうございます。
Jeroboamさんからの年賀状をいただいてこのお店のことを知りました!
素敵なお店!!!
是非伺いたいと思っていますが・・・、
四か月になるベビーがいます。ディナーは無理としてランチタイムだけでも親子三人で行けたらなと希望しております。
無理でしょうか???
>hitomiさん
お店自体は明るい雰囲気なのですが、お店の方に聞いてみるのが一番良いかな。
一番他のお客さんに迷惑をかけないのは遅いランチタイムの時間くらいかと思いますので、
それで相談してみると良いかもです。
いさおさん・・・。ありがとうございます!!
お店の方に聞いてみます★
コメントありがとうございます♪
>hitomiさん
いえいえ、何のお役にも立てず・・・。
お楽しみいただけるよう、祈っております♪